京都大学大学院教育学研究科 明和政子 研究室

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2024/02/29

研究成果が発表されました「腸内細菌叢が母親の育児ストレスや心身のレジリエンスに関連する― 腸内細菌叢・自律神経機能・身体状態から包括的にこころを支える支援を目指して ―」

明和政子 教育学研究科教授、松永倫子 日本学術振興会PD特別研究員、萩原圭祐 大阪大学特任教授、株式会社サイキンソーらの共同研究グループは、0~4歳の乳幼児を養育中の母親が抱える育児ストレスおよびレジリエンスが、腸内細菌叢や自律神経系、身体運動機能とどのように関連するか検証しました。その結果、育児ス...

人間の心の発達と進化の道すじを探求する

人間の形態的な特徴と同様、目には見えない人間の心のはたらきも、進化的淘汰の産物です。
人間らしい心とはどのようなものか(what )を知るには、
それが、「いつ(when )・どのように(how )・なぜ(why )生まれてくるのか」を明らかにすることが必要です。
私は、人間の心の発達とその進化史的基盤を、
個を取り巻く他者、社会、文化、環境をこうしたキーワードから探ることにより、
人間の心の発達を支える要因を行動観察や実験を通じて実証的に解き明かしていきます。

社会的認知の発達と進化

人間らしい心の輪郭を描き出すため、ヒトとヒト以外の霊長類の赤ちゃんの認知・行動を比較します。おもな研究対象は、胎児期から乳児期のヒト、およびチンパンジーやオランウータンなどの大型類人です。

統制のとれた実験室での実証的研究によって、それぞれの種の認知や行動を客観的な尺度で比較します。それにより、ヒトの心の特性の生物学的基盤および独自性、その適応的意義を明らかにしようとしています。

社会的認知の発達と環境要因

人間は出後直後から、あるいはお腹の中にいるときから他者とのコミュニケーションを求める存在です。生まれて数時間しかたたない赤ちゃんが、外界刺激の中から他者を自動的に選び取り、その表情を模倣します。

胎内では、お母さんの声に選択的に耳を傾け、それに応答するかのように口を動かします。人間の心の発達を支える社会-文化的な環境要因とは具体的にどのようなものかを、行動観察や実験を通じて実証的に解き明かしていきます。

赤ちゃん研究員募集中

生後0〜2歳くらいの赤ちゃんと保護者の方を募集しています。

京都大学教育学部・文学部の「乳幼児発達研究グループ」では、赤ちゃんの心の発達に関する調査にご協力いただける 「生後0~2歳くらいの赤ちゃんと保護者の方」 を募集しています。また、滋賀県立大学との共同で、滋賀県彦根市に「子育て支援サークル」を運営しております。こちらに興味のある方も、ぜひお気軽にご連絡ください。

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